LステップとAI返信は併用できる。LINE公式「Webhookは1つだけ」制限の解決方法
2026/08/12 12:12 公開
「Lステップを使ったまま、AIチャットボットにも返信させたい」——LINE公式アカウントの運用でよくある要望ですが、そのまま設定しようとすると壁に当たります。LINE公式アカウントは、Webhookの送信先を1つしか設定できないからです。
この記事では、この制限の仕組みと、LステップとAI返信を併用する具体的な方法、そして併用する前に知っておくべき技術的な制約までを説明します。
Webhookの送信先は、仕様上1つしか持てない
LINE公式アカウントには「Webhook」という仕組みがあります。友だちがメッセージを送ったり、ボタンを押したり、友だち追加したとき、その情報を外部のサーバーやサービスへ自動で通知する機能です。
Lステップ、エルメなどの拡張ツールも、DifyやChatGPTを使ったAI返信ボットも、このWebhookを受け取って動いています。
問題は、LINE Developersで設定できるWebhook URLが1つだけなことです。LステップのURLを設定すればLステップしか受け取れず、AIボットのURLを設定すればAIボットしか受け取れない。両方を同時に動かす口が、LINEの仕様上そもそも存在しません。
「両方使いたい」が起きるのは、だいたいこの4場面
- MAツール+AI返信を併用したい: シナリオ配信はLステップ、シナリオで拾えない自由質問はAIボット、という役割分担をしたい
- メッセージをSlackやチャットツールに通知したい: 友だちからの問い合わせを社内チャットへ即時共有し、反応速度を上げたい
- 自社のデータベースにメッセージを蓄積したい: MAツールの管理画面とは別に、自社の分析基盤へデータを流したい
- 複数のMAツールを比較検証したい: 乗り換えを検討していて、一定期間だけ両方に同じイベントを流して挙動を比べたい
いずれも「今の運用を止めずに、もう1つ足したい」という形です。
解決策は2つ。自作するか、転送役を挟むか
自前でプロキシサーバーを立てる
Webhook URLに自分で用意したサーバーを設定し、そのサーバーが受け取ったデータを複数の送信先へ配る仕組みを自作する方法です。構成そのものは単純で、Node.jsやPythonで数十行のコードを書けば基本形は動きます。
ただし、実運用に乗せるなら次を自分で背負うことになります。
- サーバーの運用・保守: 24時間稼働が前提。障害対応も自分で行う
- 署名検証の実装: LINEはWebhookリクエストに署名を付けており、正当性の検証処理が要る
- レスポンス速度の確保: LINEはWebhookの応答に時間制限がある。転送先の応答を待ってからLINEに返すとタイムアウトしうる
- エラーハンドリング: 転送先の1つが落ちていた場合の扱いを決める必要がある
- SSL証明書の管理: Webhook URLはHTTPS必須
社内にエンジニアがいて、インフラを運用できる体制があるなら、この方法が最も柔軟です。
Webhook転送サービスを使う
自前で構築・運用するのが難しい場合、または そこにリソースを割きたくない場合は、転送を担うサービスを挟む方法があります。LINE公式アカウントのWebhook URLを転送サービスのURLに変え、転送先を管理画面で登録するだけで、サーバーの構築・運用・保守はサービス側に任せられます。
当社が提供している L-Proxy は、この転送を最大3つの送信先に対して行うサービスです。Lステップ側の設定は一切変えません。 Lステップはそのままに、AI返信や通知をあとから足すイメージです。
LステップとAI返信を併用する構成例
Lステップ + AI返信(Dify等) シナリオ配信・リッチメニュー・友だち管理はLステップ、シナリオでカバーできない自由質問への回答はAIボット。定型はLステップの正確さ、想定外はAIの柔軟さで受けられます。
Lステップ + Slack・スプレッドシート通知(Zapier / Make) Lステップの運用はそのまま、友だち追加や特定の操作をZapier・Make経由でSlack通知やスプレッドシート記録に流します。
エルメ + AIチャットボット エルメなど他のMAツールでも構図は同じです。既存運用を止めずにAI返信を追加できます。
設定手順
- L-ProxyにGoogleアカウントでログインし、LINE公式アカウントを登録する(チャネルシークレットを設定)
- 転送先として、LステップのWebhook URLとAIボットのWebhook URLを登録する
- LINE Developersで、Webhook送信先をL-Proxyが発行するURLに差し替える
以上で、LINEからのイベントが登録した転送先すべてに同時に届くようになります。
なお、L-ProxyはMCP対応しているため、この設定作業自体をChatGPTやClaudeなどのAIツールに任せることもできます。「転送先にこのURLを追加して」と話しかけるだけで設定が終わります。詳しくは別記事「LINE公式アカウントのWebhook設定をAIに任せる方法」をご覧ください。
※最後のWebhook URLの差し替えだけは、LINE Developers側の操作のため、ご自身の目で確認しながら行ってください。
併用で一番ハマるのは、replyTokenが1回しか使えないこと
複数に転送できるようになっても、返信は1つしか届きません。LINEのWebhookイベントに含まれる replyToken は1回限りの使い捨てで、最初にReply APIを呼んだサービスの返信だけが送信され、それ以降の利用は無効になります。
つまり、LステップとAIボットの両方が同じメッセージに返信しようとすると、先に動いた方が勝ち、もう一方は黙って失敗します。「キーワードに一致したらLステップ、それ以外はAI」のように、どちらが返すかのルールを先に設計してください。これは転送サービスを使っても自作しても変わらない、LINE側の仕様です。
署名検証は、ボディを改変しないことが条件
LINE Messaging APIは、Webhookリクエストのヘッダーに x-line-signature という署名を付与します。受信側はこれで、リクエストが本当にLINEから来たものかを検証できます。
転送先のMAツールが署名検証を行っている場合、転送時にリクエストボディが変わると署名が一致しなくなります。ボディをそのまま改変せずに転送することが必須条件です。
応答は非同期で返す
LINEはWebhookリクエストの後、一定時間内にHTTP 200を期待しています。すべての転送先の応答を待ってからLINEに返すとタイムアウトのリスクがあるため、LINEへは即座に応答し、各転送先への送信はバックグラウンドで処理するのが基本設計です。
L-Proxyはこの非同期転送・署名検証・エラーハンドリングをサービス側で処理しています。転送ログの本文は受信から24時間以内に自動削除され、メッセージ内容を長期保存しない設計です。
料金と試し方
L-Proxyは月額980円から、14日間の無料トライアル付きです。Lステップを止めずに、まずテスト用アカウントで小さく試せます。
よくある質問
Q. Lステップの設定を変更する必要はありますか? ありません。変更するのはLINE Developers側のWebhook URLだけで、Lステップは今までどおり動きます。
Q. 転送されることで返信が遅くなりませんか? 転送は非同期で並行して行われ、通常は1秒未満で各ツールに届きます。
Q. LステップやエルメのAI機能とは何が違いますか? 各ツール内のAI機能はそのツールの中で完結します。Webhook転送の方式は、Dify・ChatGPT APIなど好きなAIボットを自由に組み合わせられるのが違いです。既にAI機能で足りている場合は、そのままの運用で問題ありません。
Q. 3つ以上に転送できますか? 現在の上限は3つです。多くの併用構成(MAツール+AI返信+通知・記録)はこの範囲に収まります。
Lステップ × AI を同時に使いたい方へ
公式LINEのWebhook、1つしか設定できなくて困っていませんか?
公式LINEでは、Webhookの送信先URLを1つしか設定できません。そのため、Lステップを導入している企業が「DifyでAIチャットボットも動かしたい」「自社システムにもイベントを飛ばしたい」と思っても、Webhookの奪い合いになってしまいます。
結果として、片方を諦めるか、中継サーバーを自前で構築するか——どちらにしても時間とコストがかかる選択を迫られます。
L-Proxyなら、1つのWebhookを複数サービスに同時転送
公式LINEとサービスの間にL-Proxyを挟むだけで、Webhookを好きな数だけ分岐できます。
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